ねじ部塗装は、建築現場において頻繁に行われる作業です。
しかし、塗装後にネジが固着し、取り外せなくなるトラブルも少なくありません。
このトラブルは、作業の遅延や、場合によっては構造物の損傷につながる可能性も秘めています。
今回の記事では、ねじ部塗装における固着トラブルの原因から、予防策、そして様々な解決策について解説します。
ねじ部塗装のトラブルの原因と種類
ネジの種類による固着の違い
ネジの種類によって、塗装による固着のしやすさは大きく異なります。
例えば、鉄製のネジは、錆びやすく、塗料との密着性も高いため、固着しやすい傾向にあります。
一方、ステンレス製のネジは、錆びにくく、塗料との密着性も比較的低いため、固着しにくい傾向にあります。
また、ねじ山の状態も重要です。
傷ついていたり、摩耗していたりするネジは、塗料が入り込みやすく、固着しやすくなります。
ねじの材質や形状、ねじ山状態を事前に確認し、適切な対策を講じる必要があります。
塗装の種類による固着のしやすさ
塗料の種類によっても、ネジの固着リスクは変化します。
油性塗料は、乾燥時間が長く、粘度も高いため、ネジに付着しやすく、固着しやすい傾向があります。
一方、水性塗料は、乾燥時間が比較的短く、粘度も低いため、固着しにくい傾向にあります。
ただし、水性塗料であっても、乾燥前にネジに付着すると固着する可能性があります。
塗料の選定にあたっては、乾燥時間や粘度といった特性を考慮することが重要です。
また、塗料の塗布量にも注意が必要です。
必要以上の塗布は、固着リスクを高める要因となります。
環境要因による固着への影響
気温や湿度といった環境要因も、ネジの固着に影響を与えます。
高温多湿の環境では、塗料の乾燥が遅れ、ネジに付着しやすくなり、固着リスクが高まります。
逆に、低温乾燥の環境では、塗料の乾燥が早まり、固着リスクは低減される傾向にあります。
また、雨や風といった外的要因も、塗装の乾燥に影響し、固着に繋がる可能性があります。
塗装作業を行う際は、天候や気温、湿度を考慮し、適切な環境下で行うことが重要です。
さらに、塗装後の乾燥時間を適切に確保する必要があります。
ねじ部塗装の固着トラブルを防ぐ予防策
塗装前の適切な養生方法
ネジの固着を防ぐ最も効果的な方法は、塗装前に適切な養生を行うことです。
養生テープやマスキングシートなどを用いて、ネジ部分を完全に覆い、塗料が付着しないようにします。養生材の選択も重要です。
塗料の種類や素材に適した養生材を選択することで、より効果的な養生が可能になります。
養生は、塗料の飛散防止にも繋がります。
養生テープを剥がす際に、塗膜を剥がしてしまう可能性も考慮し、慎重な作業が必要です。
ただし、ねじ1本毎の養生となると職人の手間がかなりかかってきますので、費用増になるかもしれませんので、業者との確認は必要になります。
塗料の選択と注意点
前述の通り、塗料の種類によって固着のしやすさが異なります。
固着を防ぐためには、水性塗料を選択する、または油性塗料を使用する場合は乾燥時間を十分に確保するなどの工夫が必要です。
塗料の希釈率も重要です。
希釈率が高すぎると、塗膜が弱くなり、剥がれやすくなる可能性があります。
逆に、希釈率が低すぎると、塗料が固まりやすく、ネジの固着リスクが高まります。
使用する塗料の特性を理解し、適切な希釈率で作業を行う必要があります。
ネジの材質と状態の確認
塗装前にネジの材質と状態を確認することは非常に重要です。
錆びているネジは、塗料との密着性が高く、固着しやすいです。
錆びている場合は、事前に錆を取り除く必要があります。
また、ネジ山が摩耗している場合も、塗料が入り込みやすく、固着しやすくなります。
ネジの状態を事前に確認することで、適切な対策を講じることができ、固着トラブルの発生を未然に防ぐことができます。
ねじ部塗装の固着トラブルの解決策
軽微な固着への対処法
ネジが軽く固着している場合は、ペンチやドライバーなどの工具を用いて、慎重に回してみましょう。
潤滑剤を使用することで、ネジの回転がスムーズになり、固着を解消できる可能性があります。
潤滑剤としては、シリコンスプレーやWD-40などが有効です。
ただし、無理に力を加えると、ネジが破損する可能性がありますので注意が必要です。
固着が激しい場合の対処法
ネジが激しく固着している場合は、より強力な手段が必要になります。
金槌でネジ頭を軽く叩くことで、塗料の付着を剥がすことができます。
この際、ネジ頭を傷つけないように注意が必要です。
叩いた後、潤滑剤を塗布し、再度ネジを回してみましょう。
それでも回らない場合は、ネジ山に付着した塗料をカッターなどで削り取ることが有効です。
ただし、この方法はネジ山を傷つける可能性もあるため、慎重な作業が必要です。
まとめ
ねじ部塗装における固着トラブルは、ネジの種類、塗装の種類、環境要因など様々な要素が絡み合って発生します。
トラブルを防ぐためには、塗装前の適切な養生、塗料の選択、ネジの状態確認が重要です。
軽微な固着であれば、工具や潤滑剤を用いて対処できますが、激しい固着の場合は、金槌やカッターを用いる、または専門業者に依頼するといった対処が必要となる場合があります。
本記事で紹介した情報を参考に、ねじ部塗装におけるトラブルを未然に防ぎ、スムーズな作業を進めてください。
ネジの固着は、作業の遅延や、場合によっては構造物の損傷に繋がる深刻な問題です。
適切な予防策と解決策を理解し、安全で効率的な塗装作業を目指しましょう。
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編集者プロフィール

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1970年生まれ。建築業界歴29年。
大工の棟梁であった父を継いだわけではないが同じ業界に興味を持ち、大学卒業後、首都圏を中心とする建売会社に入社。現場監督を希望するも営業に配属される。3年後、地元の総合建設会社に新たに住宅部門が設立されるということでUターン。この会社で企画、不動産販売、分譲住宅販売、現場監督、メンテナンスと一通りの業務を経験させてもらう。その後、会社が倒産。残務処理中に色々なお客様から「違う会社行っても面倒を見て欲しい」といわれ、独立開業を決意。2008年1月にして創業16年目。
「私を必要とする人を全力で笑顔にする」ことをミッションとして行動しております。
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